遺言書検認の手続きについて
今回は遺言書検認手続きの流れについて備忘録も兼ねて記載させて頂きます。
自筆で書かれたいわゆる自筆証書遺言書の保管者又は発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所にて検認の手続きを受けなければなりません。
これは、遺言書が有効であるということを確認するのではなく、主にその時の遺言書の状態を明確にし、偽造・変造を防止し、遺言の内容及び存在を相続人に知らせることを主な目的としてなされるものです。
以下、手続きの流れをご紹介致します。
①申立て時期
・相続の開始を知った後、遅滞なく。
②申立人
・遺言書の保管者
・遺言書を発見した相続人
③申立先
・遺言者(亡くなった方)の最後の住所地の家庭裁判所
④費用
・収入印紙→800円分(遺言書1通につき)
・収入印紙→150円分(検認済証明書につき)
・切手→110円分×(当事者数+1)枚
⑤遺言書検認申立書
・遺言書検認のための用紙は3枚セットになっており、1枚は相続人等目録となっております。裁判所のホームページからダウンロードすることができます。家庭裁判所によって多少体裁は異なりますが、いずれの用紙を使用しても問題ないと思われます。今回は東京の様式を使用しました。東京の様式では、後述の「遺言書検認済証明書」の交付申請書も兼ねているため、申立書1枚で、遺言書検認申立と遺言書検認済証明書の交付申請の2つを同時にすることができるからです。
・申立書の記載は全て弊所にて記入し(作成時に分からない箇所は空けておき、ご依頼者様に埋めて頂きました。)、申立人の箇所のみご本人様にご署名とご捺印を頂きました。全ページに捨て印も頂きました。
・検認済証明書申請書の箇所には、日付は空けた状態で、申立人の箇所にご署名及びご捺印を頂きました。受領した旨の箇所にも、前もって、日付は空けた状態でご署名及びご捺印を頂きました。収入印紙150円分も貼っておきます。
⑥相続人等目録
申立人も含めて、全ての相続人の本籍、住所、氏名、生年月日、職業及び被相続人との続柄を記載していきます。電話番号の分からない方については空欄で、職業が分からない方については不明と記載して提出しました。
⑦上申書
司法書士は、遺言書検認申立てを代理ですることはできず、遺言書検認申立書の作成のお手伝いをさせて頂くこととなります。ただ、必要書類の収集、申立書作成、使者として申立書の提出又は郵送等、一連のお手伝いをさせて頂いておりますので、裁判所との連絡係もさせて頂くことがほとんどです。そこで、裁判所に対し、当該手続きに関する連絡は弊所へして欲しい旨の上申書をご記入頂き、提出していくこととなります。
⑧収集する書類
- 戸籍
・遺言者(亡くなった方)の出生から死亡までの全ての戸籍と、相続人全員の現在戸籍謄本等。相続される方の順位により集める戸籍が異なってきますので、詳細は裁判所のホームページをご参照下さいませ。
・戸籍はコピーの提出で構いません。ただ、裁判所によっては原本を要求される可能性はございますので、事前に確認する必要がございます。
・戸籍は3か月以内のものが必要です。
- 相続人全員の戸籍の附票(本籍入り)
・裁判所への添付書面としては要求されておりませんが、申立書には申立人や遺言者の住所を、相続人等目録には全ての相続人の住所を記載しないといけないため、実質的に収集する必要が高いと思われます。
⑨検認期日の通知
・遺言書検認の申立てがあると、相続人に対し、裁判所から検認期日の通知がなされます。申立人以外の相続人の方は、期日に出席するかどうかは自由です。
⑩検認期日当日
・検認期日には、申立人の方は、遺言書、申立書にご捺印頂いた印鑑及びその他裁判所から指示のあった場合は当該持ち物を持参して裁判所へ行って頂き、検認手続きに参加して頂きます。
⑪遺言書検認済証明書
・検認が終わった後は、遺言の執行をするためには、遺言書検認済証明書が遺言書についていることが必要となります。こちらの申請は、東京様式の遺言書検認申立書では一緒になっているため、検認手続き後に別途申請する必要はございません。検認期日当日にそのまま遺言書検認済証明書を受け取ることができます。
以上が、遺言書検認の手続きの一連の流れでした。
いかがだったでしょうか?
少しでもお役に立つことができましたら幸甚でございます。
これかも有益な情報を挙げていけたらと存じますので、宜しくお願い致します。
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